朴葉みそとは、枯朴葉の上に味噌をのせ焼いて食べる飛騨の郷土料理です。
その起源ははっきりしませんが、冬の間、漬物樽から凍った切り漬けをとかして温め、そこに味噌を加え食べたといいます。
朴の葉は比較的火に強く、食材をのせて使うのにちょうどよい大きさなので使われました。
朴は飛騨地方の山林では多く自生し、梅雨の頃純白の大きな花を咲かせます。葉は大きく10センチから30センチ近くのものも珍しくありません。八月頃には葉の厚みも増し、「朴葉餅」にしてお盆に食べます。朴の葉に包むとカビが生えません。朴葉餅は包んだまま焼き、朴の葉のいい香りがついた餅になります。
晩秋、霜が降り始めると葉が落ちます。拾い集め3日ほど塩水に浸し、陰干しして保存しておきます。
飛 騨の冬は厳しく、漬物樽の切り漬けが凍るのもしばしばでした。いろりの火を調整し、ごとくの上に朴の葉を敷き、凍った切り漬けをのせ凍みを溶かし、そのまま焼きました。味噌を加え、切り漬けと混ぜながら食べます。ご飯の上にのせて食べると美味しく何杯も食べました。そのゆえ、米が食べられない地域・家庭では味噌を焼かなかったと語る人もいます。また、火をくべるのは家長の役目で、味噌が焦げた美味しい部分を食べるのも家長の特権だったと懐かしんで語る人もいます。
食文化が豊かになった現代では、味噌に野菜や椎茸などの具を混ぜて食べるのが定例になってきています。
角一亭では、飛騨牛やトンカツを加えたメニューもあります。また飛騨地方の旅館やホテルでは、朝食に朴葉みそをメニューに加えるところが多くあります。
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